2011年7月28日木曜日

事実を照らし出す「時代劇法廷」

もし現代に歴史上の有名人が現れたら、その有名人の功罪は罪に問えるのでしょうか?
渡辺いっけいさん演じる時代劇検察官が、被告になった歴史上の人物を追い詰めるという法廷劇の形を取りながら、時にスリリングに時にユーモラスに事実を検証し探っていく。
時代劇チャンネルの独自番組「時代劇法廷」はそんな番組です。
検察官である以上時代劇検察官は被告の有罪を勝ち取ろうとするのですが、かならずしも現実は検察官に有利には働いてくれません。
はたして時代劇検察官はどう判断するのか?
その中での葛藤、一筋縄ではいかない歴史上の人物たちとの攻防など、ドラマとして見てもとても面白いのです。
私は最初この番組は今の常識感覚を歴史に持ち込むものなのだろうか?と思ったのですが、そうではありません。
重要なのは物証であり証言であり、裏付けの無い歴史はロマンスである!
と、この番組はクールに語ります。
そして番組ラストには必ず判決が下されるのですが、それだけに終わらない問いかけがそこにはありました。
歴史とは常に変わっていく生き物だということ感じさせる番組です。

2011年7月12日火曜日

楽しさという道「アメリカザリガニのキカイノカラダ」

キカイノカラダは、かつてDVD雑誌ファミ通ウェーブにて10年もの間掲載されていたゲームバラエティ番組です。
テレビゲーム大好き平井さんとテレビゲーム不得意柳原さんのコンビ「アメリカザリガニ」と(当時)ADのキム、OZUMA、たまにファミ通編集者が、最新ゲームに挑戦するという内容なのですが、いかにテレビゲームを笑いに楽しく変換するかという部分に主眼が置かれた番組でした。
時にテレビゲームでコンビの今後を相談されたり、テレビゲームで柳原さんが平井さんにどっきりにまんまとひっかけられたり、テレビゲームで内容に全く関係ない不動産コントを展開したり……。
だからゲームの内容を理解しなくてはいけないとかクリアを目指すということは一切ありません。
ゲームが理解できなくても趣味でなくても差し支えなく楽しめるというのがこの番組の特徴でした。
ゲームバラエティでありながらこの番組でゲームは主役ではありません。
あくまでもゲームは手段でしかありません。
しかし、その楽しさを生み出しているのは間違いなくテレビゲームであり、逆説的にテレビゲームの楽しさというものを伝えているのです。
実は、テレビゲームをテレビバラエティに正確に落とし込む作業というのは、案外出来ることではありません。
他人がしているゲームをただ見ているだけというのは楽しくないというのと、全く一緒のことが起きるです。
有野さんが活躍しDVDが大ヒットとなったゲームセンターCXとは大きく趣きを異なる番組でしたが、間違いなくゲームの楽しさを伝える一翼を担った番組でありました。

2011年7月4日月曜日

朝5分にボリュームいっぱいの情報量「0655」

「0655」はNHKEテレで6時55分から放送されているわずか5分の情報番組です。
その内容はボブ・マーリィの歌をカバーした「朝が来た」に始まり、カレンダー代わりになる日めくりアニメ、ご自慢のペットの写真を歌にのせて紹介するコーナー「おれ、ねこ」「あたし、ねこ」「我輩は犬」「あたし犬犬」(日によって替わります)、あらゆるアイデアで「0655」という文字を魅せる「0655ID」、朝の活力になる今月の歌など、とても5分という時間に沢山の情報をこれでもかと詰め込んだ番組なのです。
朝の番組は時計代わりとよく言われますが、本当の意味で時計代わりを目指しているのはこの番組だけだと言っていいと思います。
今月の歌に「忘れ物撲滅委員会」という忘れ物をしないための歌があるのですが、歌で忘れ物チェックができるという合理性に(なおかつ歌としてもいい!)うなったものです。
朝に必要なものだけを集めて凝縮させた感覚が非常に心地よいのです。
日めくりアニメで今日の日を確認し、猫や犬達の写真に癒され、「0655ID」にうなり、今月の歌で元気をもらって下さい。