2011年7月28日木曜日

事実を照らし出す「時代劇法廷」

もし現代に歴史上の有名人が現れたら、その有名人の功罪は罪に問えるのでしょうか?
渡辺いっけいさん演じる時代劇検察官が、被告になった歴史上の人物を追い詰めるという法廷劇の形を取りながら、時にスリリングに時にユーモラスに事実を検証し探っていく。
時代劇チャンネルの独自番組「時代劇法廷」はそんな番組です。
検察官である以上時代劇検察官は被告の有罪を勝ち取ろうとするのですが、かならずしも現実は検察官に有利には働いてくれません。
はたして時代劇検察官はどう判断するのか?
その中での葛藤、一筋縄ではいかない歴史上の人物たちとの攻防など、ドラマとして見てもとても面白いのです。
私は最初この番組は今の常識感覚を歴史に持ち込むものなのだろうか?と思ったのですが、そうではありません。
重要なのは物証であり証言であり、裏付けの無い歴史はロマンスである!
と、この番組はクールに語ります。
そして番組ラストには必ず判決が下されるのですが、それだけに終わらない問いかけがそこにはありました。
歴史とは常に変わっていく生き物だということ感じさせる番組です。

2011年7月12日火曜日

楽しさという道「アメリカザリガニのキカイノカラダ」

キカイノカラダは、かつてDVD雑誌ファミ通ウェーブにて10年もの間掲載されていたゲームバラエティ番組です。
テレビゲーム大好き平井さんとテレビゲーム不得意柳原さんのコンビ「アメリカザリガニ」と(当時)ADのキム、OZUMA、たまにファミ通編集者が、最新ゲームに挑戦するという内容なのですが、いかにテレビゲームを笑いに楽しく変換するかという部分に主眼が置かれた番組でした。
時にテレビゲームでコンビの今後を相談されたり、テレビゲームで柳原さんが平井さんにどっきりにまんまとひっかけられたり、テレビゲームで内容に全く関係ない不動産コントを展開したり……。
だからゲームの内容を理解しなくてはいけないとかクリアを目指すということは一切ありません。
ゲームが理解できなくても趣味でなくても差し支えなく楽しめるというのがこの番組の特徴でした。
ゲームバラエティでありながらこの番組でゲームは主役ではありません。
あくまでもゲームは手段でしかありません。
しかし、その楽しさを生み出しているのは間違いなくテレビゲームであり、逆説的にテレビゲームの楽しさというものを伝えているのです。
実は、テレビゲームをテレビバラエティに正確に落とし込む作業というのは、案外出来ることではありません。
他人がしているゲームをただ見ているだけというのは楽しくないというのと、全く一緒のことが起きるです。
有野さんが活躍しDVDが大ヒットとなったゲームセンターCXとは大きく趣きを異なる番組でしたが、間違いなくゲームの楽しさを伝える一翼を担った番組でありました。

2011年7月4日月曜日

朝5分にボリュームいっぱいの情報量「0655」

「0655」はNHKEテレで6時55分から放送されているわずか5分の情報番組です。
その内容はボブ・マーリィの歌をカバーした「朝が来た」に始まり、カレンダー代わりになる日めくりアニメ、ご自慢のペットの写真を歌にのせて紹介するコーナー「おれ、ねこ」「あたし、ねこ」「我輩は犬」「あたし犬犬」(日によって替わります)、あらゆるアイデアで「0655」という文字を魅せる「0655ID」、朝の活力になる今月の歌など、とても5分という時間に沢山の情報をこれでもかと詰め込んだ番組なのです。
朝の番組は時計代わりとよく言われますが、本当の意味で時計代わりを目指しているのはこの番組だけだと言っていいと思います。
今月の歌に「忘れ物撲滅委員会」という忘れ物をしないための歌があるのですが、歌で忘れ物チェックができるという合理性に(なおかつ歌としてもいい!)うなったものです。
朝に必要なものだけを集めて凝縮させた感覚が非常に心地よいのです。
日めくりアニメで今日の日を確認し、猫や犬達の写真に癒され、「0655ID」にうなり、今月の歌で元気をもらって下さい。

2011年6月9日木曜日

オールラウンドプレーヤー過ぎる「イワイガワ」

イワイガワはネタとツッコミ担当の井川修司さんとボケ担当の昭和ノスタルジック漂うちょび髭部長メガネ姿の岩井ジョニ男さんのコンビです。
なにかと古すぎるジョニ男さんに普通の人井川さんが振り回されるというシチュエーションのコントを主とし、若手芸人の登竜門番組NHKの爆笑オンエアバトルなどで活躍しました。
井川さんは過去三国連太郎さんや浅田美代子さんの付き人を経験し、ジョニ男さんはタモリさんの運転手をしていたことからトーク番組の爆笑エピソードには事欠きません。
図らずもタモリさんが司会を務めたTV番組ボキャブラ天国大復活祭ではボキャブラネタで一位を獲得し、大座布団を獲得したということもありました。
特にジョニ男さんは七三分けに黒縁眼鏡、吊るしのスーツとちょび髭という、まるで昭和のサラリーマンという出で立ちという強烈なキャラクターで、頭の後ろから右手のひらを昇る朝日のように出す「オイルショック!!!」という一発ギャグも持っています。
また、リポーターとしても長年NHK衛星放送のリポーターを経験している為にレポートで外したことがまずありません。
しかし、これだけ芸人として立派な武器を持ちながら、いまだにチャンスを生かしきれずメジャーな存在ではないというのが残念なところです。
あまりにもオールラウンドプレーヤーで、そつが無さ過ぎるというところがあるのでしょう。
チャンスを掴み早くメジャーになってもらいたいコンビの1組です。

2011年5月31日火曜日

NHK科学番組の正統後継者「すイエんサー」

かつて、NHKには「ウルトラアイ」という事象を司会の山川静夫アナが体を張って科学的に検証する番組がありました。
ある時はスズメバチに立ち向かい、ある時は蚊に刺されて科学を分かりやすく見せようとした山川アナの奮闘は今数多くある科学バラエティの先駆けだったと思います。
そして、NHKの科学番組は名前を替えて受け継がれていきましたが、出演者が行動で魅せるという部分は徐々に失われていったように感じます。
しかし、その正統後継者とも言える番組がついに登場した!と感じたのが
すイエんサー」でした。
すイエんサーは、NHKEテレで放送されている身近な疑問をすイエんサーガールズが自ら行動によって答えを見つけていくという教育番組です。
番組は様々な先生を配置してヒントを出すということはしますが、基本的にはすイエんサーガールズをほったらかしにします。
何度も失敗しながら答えにすイエんサーガールズがたどり着く様子というのは言葉で言うほど簡単ではありません……。
時に歯がゆかったりします。
しかしだからこそ、説得力を持ち科学的裏づけが確かなものとして視聴者に伝わってくる。
見ごたえがあるんです。
シンプルですが、すイエんサーガールズの悪戦苦闘しながらも頑張る姿をぜひ見てみてください。

2011年5月17日火曜日

ついて行けても行かなくても笑えるハイスピード「ウーマンラッシュアワー」

ウーマンラッシューアワーは大阪を拠点に活躍するボケ担当村本大輔さんとツッコミ担当中川パラダイスさんの若手漫才コンビです。
M-1グランプリで話題になった非常に間の多い「スリムクラブのネタなら2分で言い切る」とは村本さんの弁です。
一度も噛まずに台詞をしゃべり続ける姿は驚異的ですらあります。
その中身のくだらなさは長さと反比例して中身が無く、もう本当にどーしょうもうないの一点につきます。
一方で聞いていると、何を言っているのか正直ついていけないこともあると思うのですが、ついていけなくてもいいのです!
その速いテンポこそこのコンビの最大の武器であり、流れそのものを楽しんでしまえばいいのです。
またテンポが高まることで熱量が高まり、細かいことを一気に押し切ってしまうパワーは本当に素晴らしいです。
また、中川さんのもてないであろう女子の演じ方もその早口をしっかりと受け止めるような完璧ぶりで、本当に笑わせてくれます。
第32回ABCお笑い新人グランプリでは、その漫才が大きく評価され優勝にあたる最優秀新人賞を獲得。
早く全国区になって欲しいコンビの一組です。

2011年5月10日火曜日

暴走するナレーションの破壊力「シルシルミシル」

テレビ番組でタイアップ物が多くなりましたが、テレビ朝日系バラエティ番組「シルシルミシル」はその先駆けと言っていいかもしれません。
しかし、シルシルミシルは現在その他のタイアップモノとは違うとんでもない進化を遂げています。
それはナレーションがバカリズム+作家さんで番組の独自の意思を持ち始めているということです。
ある時は進行のくりぃむしちゅーの上田さんを勝手に極悪人に仕立て上げ、あるときは会社の現場に勝手に不信感を抱き、ある時は会社に子どもの夢を守れと言ってプレゼントを強要し、ある時は働く社員さんを無理がある例えに当てはめて褒め、ある時は会社の可愛い社員を「僕の〇〇さんに手を出すな!」と勝手に片思い。
見ていてひどく呆れることうけあいです。
とにかく別人格としてナレーションの範囲を逸脱して暴れまくっているのです。
もはや、この番組はくりぃむしちゅーの番組ではなく、このナレーションが主役を張っているといっていい形となっているのです。
しかし、この破壊的ナレーションがあることで会社を一方的に褒めたりせず、ある程度の距離を保つことになっているのです。
この絶妙のバランスこそがシルシルミシルの一番の魅力と言っていいのかもしれません。

2011年5月6日金曜日

全てを笑いに分解する男「バカリズム」

ピン芸人「バカリズム」ほど、全てを笑いにとことん分解してしまう人はいないと思います。
ある時は「花嫁」を。ある時は「贈る言葉」を。ある時は「都道府県」を。
ある時は「漢字」を。そしてある時は「ナレーション」を……。
変えるのではなく分解する。その表現こそバカリズムには合っている気がして仕方ありません。
分解する作業というのは「好き」が行き過ぎた行為だと私は思います。
普通に好きな人に分解という行為はもったいなくて出来ない。
普通に嫌いな人に分解という行為はあまりに面倒くさい。
しかし、好き過ぎる人は分解してまで対象の全てを知りたいと願う。
とてもクールな印象を受ける人ですが、「笑い」に対しては熱く武闘派だとかつて共同生活を共にしていたバナナマン日村さんは語っています。
「お笑い」がとても好き過ぎるのでしょう。
ピン芸人日本一を決めるR-1ぐらんぷりに何度も決勝に残りながら、どうにも本気で優勝を取りにいけないのも好き過ぎるからかもしれません。
好き過ぎて1周しているのが「バカリズム」なのではないかと思うのです。

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2011年5月4日水曜日

審判を下すカタルシス「キングコングのあるコトないコト」

メ~テレ(NBN)製作「キングコングのあるコトないコト」は、ちまたにあふれる情報の本当か嘘かを楽しく検証するバラエティ番組です。
まず毎回設けられたテーマに沿った意外なエピソードや秘話をキングコングやゲストが披露します。
そして後半、スタッフルームのリサーチャー達の調査によってその情報の真偽がはっきりと下されるのです。
その結果によって時に喜んだり、時に驚いたり、時に落ち込む出演者達の反応がとても面白いのです。
情報化社会によって、この世の中には数え切れないほどの情報があふれることになりました。
にもかかわらず、その真偽をはっきりさせないまま通り過ぎてしまうことがとかく世の中は多いです。
あるコトないコト」はそんな中でその曖昧にさせておいた部分に目をつけた、とても面白い番組だと私は思いました。
知識の量を競おうとして数々のクイズ番組が誕生し、知識の実用化をうたって健康番組が誕生し、無駄知識を感心させる番組としてトリビアの泉が誕生し、そして知識を検証するバラエティとして「あるコトないコト」が生まれたというのは興味深いです。
知識を検証するということを番組でエンターティメントとして昇華させるにまでテレビは成長したということを私は実感するのです。

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2011年4月28日木曜日

バカバカしいほどに燃える!「ジャスティス学園」

対戦格闘というジャンルが私は苦手です。
反射神経がない上に複雑な入力操作が出来ないのです。
しかし、プレイステーションで発売された対戦格闘ゲーム「私立ジャスティス学園」はバカバカしいほど燃える作りで私は夢中になったのでした。
199X年、日本各地の高校で多発する謎の暴行・誘拐事件。その事件の真相を解き明かすために生徒たちが立ち上がった!
という内容なのですが、日本で生活する一見普通の高校生や教師がとんでもない必殺技を使うというミスマッチぶり、ちりばめたスポコンパロディ、そしてそれを補って余りある熱血(暴走!?)ストーリーをどうしても知りたくて、私は初めて対戦格闘のソフトと専用コントローラーまで買ってしまったのです。
中でも登場キャラクター全員を主人公として動かせるという対戦格闘の利点を生かして、おじさん教師の脇役も主役のストーリーが用意されていたことには驚いてしまいました。
対戦格闘はプレイするには本当に敷居の高いジャンルです。
それを熱血ストーリーで乗り越えさせようとした「ジャスティス学園」は面白いテストケースだったのではないかと思います。
残念ながら2作目以降は続編が製作されず、その後の彼らが気になっているのですが、それは想像で楽しむしかないようです。

2011年4月24日日曜日

聞くことに長けた番組「ブラタモリ」

タモリさんによる街歩きNHK系番組「ブラタモリ」が好きです。
タモリさんが久保田アナと共に歩きながら街の歴史や様々な文化を探っていく番組なのですが、開始当初はテレビ朝日系バラエティ「タモリ倶楽部」との類似性を言われたりしました。
確かにこの2つの番組は似ています。
しかし、この二つの番組には「遊ぶ」ことと「聞く」ことの違いがあるように私は考えています。
「タモリ倶楽部」は事象を「遊ぶ」のに対し、「ブラタモリ」はとにかく事象を「聞く」ことに特化しているのです。
これはタモリさんという人がたえず一歩引く天才であり、様々な人から「聞く」ことが本当に上手い人だからなのでしょう。
この番組でのタモリさんは本当に「聞いて」います。
そしてタモリさんのフィルターを通すととても理解しやすい。
とにかく聞いて聞きまくることで様々な歴史・文化が浮かび上がり、それが番組の個性を形作っていっているのです。
もともとタモリさんは前面に出てくる人ではありませんが、その引いて聞くということ自体が「個性」になっていると評したのは爆笑問題の太田さんでした。
考えれば考えるほど、タモリさんが浮かび上がってくる「ブラタモリ」は、タモリさんの「聞く」個性にピッタリと符合した番組なのかもしれません。

2011年4月23日土曜日

おもちゃをつくるからこそ「任天堂」

なんというかゲームメーカー「任天堂」が心情として好きです。
そんなに勝ち組好きかと言われてしまいそうですが、本当に好きなんだから仕方ないです。
運を天に任せるという由来からして好きです。
遊ぶものを作っているという自負と、だからそんなもんですという感覚が同居しているところが好きです。
本社が東京に行かないところが好きです。
やることが早すぎて失敗することがあるのが好きです。
そしてその失敗を次にキチンと活かすのが好きです。
おもちゃを長い間作り続け、そこから抜け出そうとしないし抜けきらないところも好きです。
ちょっとおしゃれじゃないところも好きです。
結局、子供の遊ぶものが好きだからなのかもしれません。
今もなお子供を忘れない作品を作り続けていることにこそ、私のような者は心惹かれます。

2011年4月21日木曜日

違う視点をもつ大切さ「へなへなコメディ劇場」

NHKでは「NHKワンセグ2」というワンセグのみで見ることが出来る独自のチャンネルがあります。
そこで青山ワンセグ開発という番組が、視聴者投票でみたい番組を決めるというコンペを行っているのですが「へなへなコメディ劇場」は、そんな青山ワンセグ開発第二シーズン挑戦企画の一つです。
R-1ファイナリストになった経験を持つピン芸人ナオユキさんがイラストレーターハピネス★ヒジオカさんとタッグを組んだ作品で、ナオユキさんが世の中のあらゆる出来事にツッコミを入れる漫談が、アニメ化されたものです。
見ている人を笑わせながらナオユキさんは問いかけます。
「その常識は正しいのか」と。
これがナオユキさんの考えや空想をアニメで補完するという形をとっているのですが、これが辛らつでありながらほのぼのと、毒があって愛があるという摩訶不思議な面白さを持つ番組になっているのです。
そして、ラストの話ではナオユキさんの想いは空を飛び越えます……。
常識に囚われていないか違った見方があっていいじゃないか。
たった5分の作品なのですが、見た後にちょっと心が軽くなります。
現在、青山ワンセグ開発の公式サイトや公式の作品としてYOUTUBEに「へなへなコメディ劇場」全3話を見ることが出来ます。
新しい視点を発見してくれるこの作品を是非見てみてください。

2011年4月19日火曜日

ゆるい中にも鋭い嗅覚「モヤモヤさまぁ~ず2」

街歩き番組は多くありますが、その中でも私が好きなのはテレビ東京系バラエティ番組「モヤモヤさまぁ~ず2」です。
心が「モヤモヤ」してしまうものを探し歩くというコンセプトの元、さまぁ~ずと第3のさまぁ~ずと高く評価されるテレビ東京アナウンサー大江麻理子さんが街を歩くという内容なのですが、ナレーションは「ショウ君」という音声コンピューター。ぶらぶらと3人が街を歩き、出会った人と立ち話をし、食事とあらばテレビのお約束を無視して黙ってむしゃむしゃと食べてしまうという、まあとにかく面白くてゆる~~い番組です。
しかし、これが他のタレントでは面白くならないのです。
それは、3人の「モヤモヤ」に対する嗅覚が素晴らしく人より良いからなのではないかと私は考えます。
普通こうした街歩き番組では、町の良いところ良い人しか紹介しません。
また面白いところを無理に探そうとしても、えてしてそれは面白くならないというのが常です。
だから3人は、無理して面白いことは一切探しません。
しかし、自分の感じた嗅覚に入ってきたものは決して逃さない。
全てアドリブで行うその鋭さには驚嘆するばかりです。
放送するには危険な感じも時には漂うのですが、それは「モヤモヤ」でくるんでしまうという見事さ。
実は「モヤモヤさまぁ~ず2」はかなりシビアな番組なのかもしれません。

2011年4月17日日曜日

瞬きに全てを費やす物語「ファイアーボール」

ファイアボール』とは、ウォルトディズニージャパン製作による1話2分の3DCGアニメ作品です。
2008年4月7日~ 2008年6月30日まで放送され、現在は第2シリーズの『ファイアーボールチャーミング』が放送中です。
しかし私は、放送も完全に終了しDVD発売が決定したというCG広告を目にして『ファイアーボール』を初めて知ったのでした。
ロボットなのにツインテール!主人公ドロッセルのビジュアルの衝撃が凄かったのです。
しかし、そのストーリー内容はそれ以上でした。
メルクール暦48650年。地球であって地球ではないような星で、人類の軍隊とロボット貴族の軍隊は長い間戦争を続けていました……。
そんな背景を抱えながら、ちょっと意地っ張りのツインテールお嬢様ロボットドロッセルと執事ゲデヒトニトス(お嬢様からまともに名前を呼ばれた試しなし!)は、広いお屋敷の中でひたすらドタバタ劇を繰り広げるのです。
はっきりいって物語としては凄く小さいです。
その落差といったらあきれ返るばかりです。
しかし、その内容はSFから古典まで数々のパロディが散りばめられた上に、生きる上での示唆が含まれているという実に噛めば噛むほど味が出るスルメのような番組なのです。
また、そんな小さな物語に費やされた3DCGの迫力や動きといったら素晴らしく、無表情のロボットであるドロッセルやゲデヒトニトスが非常に人間味あふれ愛らしく見えてくるのです。
わずか2分にとんでもない労力をかけて魅せる。
まるで星の瞬きのような物語それが『ファイアーボール』なのです。

2011年4月16日土曜日

古くて新しい番組「ペケポン」

今や看板番組の一つとなった、金曜8時のフジテレビ系ゲーム&クイズバラエティ「ペケ×ポン」が大好きです。
くりぃむしちゅー上田さんを進行役に赤、黄、青、ピンクの衣装をまとった(コーナーごとのコスプレも魅力の一つ)有田さん、タカアンドトシ、柳原加奈子さんレギュラー陣がゲスト達とクイズやゲームで競うのですが(上田さんもたまに緑の衣装で参加)その競技が川柳やなぞかけなどどれも昔ながらのものだというのが興味深いです。
だからこそ、高齢層にも受けたのでしょう。
そしてそれをプレイするのが今をときめく、くりぃむしちゅー、タカアンドトシ、柳原加奈子という若い人達に人気の芸能人だったのというのがポイントでした。
今の感覚で昔を解きほぐす。今活躍している人だからこそ出来る技です。
嗜好が細分化されていく世の中にあって、子供からお年寄りにまで幅広く支持されたペケ×ポンは大きな注目を集めました。
しかし、それもチームワークが無くてはいけません。
もともとペケ×ポンは深夜でトーク番組として始まった番組でした。
(柳原さんは途中から参加)
それがゲーム&クイズ番組に転向し、悪戦苦闘しながらここまでたどり着いたという過程があってこそヒット番組になったのだと思います。
深夜の頃の面影は今のペケ×ポンには見られません。
しかし、その時の経験は確実に今の番組に息づいていると私は思うのです。

天使が見る人の生き様「ドラゴンクエストⅨ」

ニンテンドーDSに舞台を移して創られたドラゴンクエストシリーズ第9作「ドラゴンクエストⅨ」を私は今もプレイしています。
通信機能を使ったすれ違い通信システム、特別な買い物、増えていく宝の地図によるお宝探し、錬金釜によるアイテムづくり……。
やめ時を失うようなシステムが「Ⅸ」には本当に多いのです。
しかし、その「Ⅸ」のストーリーはシステム面に比べてあまり評価されなったような気がします。
太古の昔より人類を影から守り続けてきた天使達。主人公はその天使の一人として生まれます。
成長した主人公は、村の平和を守る守護天使として地上に赴くことになるのですが、ある事件に巻き込まれて……。
天使である主人公が見つめるのは様々な人の生き様です。
映画「ベルリン天使の詩」を私は思い出します。
人ではない者を初めて主人公にして描いたのは人そのものでした。
それはニンテンドーDSで描くにはまだ早すぎたのかもしれません。

2011年4月14日木曜日

全力正統派オタク「アメリカザリガニ」

漫才コンビ「アメリガザリガニ」を初めて見たのはファミ通DVD内のゲーム番組「アメリカザリガニのキカイノカラダ」でした。
テレビゲームが大好きな私は、まずテレビゲームに興味があってアメリカザリガニに偶然出会ったのです。
寝食を忘れてまでゲームをしてしまうローテンションで冷めたボケ担当平井さんに、漫画大好きでハイトーンかつハイテンションなツッコミ担当柳原さん。
2人はこれでもかというぐらい全力でオタクでした。
サブカルチャーの面白さをしっかりと理解し、伝えられる芸能人は正直芸能界でなかなかいないと思います。
アメリカザリガニの2人は紛れも無くその中に入る人達で、現在少年ジャンプの番組やカプコンのモンスターハンターの番組など、サブカルチャーがテーマの番組で主に活動しています。
しかし、そんな2人の漫才は自分達の個性を生かしながらも誰もが楽しめる正統派で……私はその2面性にファンになりました。
2008年漫才アワード優勝は記憶に新しいところです。
また、声優というお仕事も全力でこなす器用な2人が、いつか全国区になってくれることを願わずにはいられません。

2011年4月12日火曜日

初めて成立したTVゲーム的番組「ネプリーグ」

フジテレビ系月曜夜7時に放送している「ネプリーグ」が好きです。
現在のネプリーグがスタートするまで、TVゲーム的番組と呼べる番組はいくつか存在しましたが、どれもヒットしませんでした。
それは視聴者がプレーヤーほど観ていて面白さを感じないというところにあります。
テレビゲームのプレーヤーと視聴者には大きなハードルがあるのです。
そのハードルを取り払うために、ネプリーグは極力難易度を下げました。
五文字、連想、二択など……そのどれもが子供から高齢者まで一般の視聴者が参加出来るようにギリギリまで下げられています。
しかしそこからの難易度の上げ方が本当に絶妙で、違和感が生じないように出来ているのが凄いです。
また、この番組におけるネプチューンの存在はMCではありません。
いつも頼もしいリーダー名倉さん、イメージと違って意外な活躍をする堀内さん、なぜか足を引っ張ってしまう泰造さんと、視聴者にゲームの楽しさを伝える最高のプレーヤーになっているのです。
(視聴者に背を向けているのが何よりの証拠です)
ただ、あまりにも完成されすぎていて、今後発展出来る余地があまり無いというのが欠点といえば欠点だと思います。
どうこの先展開させていくか、それもまた注目だと思います。

2011年4月10日日曜日

敷居が低くて奥が深い「ことばのパズルもじぴったん」

アーケード版に始まり、数多くのハードに移植されたパズルゲーム
ことばのパズルもじぴったん」が好きです。
それぞれのステージごとに決められている文字の集まりから1文字ずつ選び、マスに置いて「ことば」を作っていくゲームなのですが(制限時間内に課題を達成すればステージクリアになります)自分の持っている文字を組み合わせて単語を作って消すという、誰にでも分かる単純さが受けて大ヒットとなりました。
また、組み合わせた文字は辞典などに残っていくというやり込みの楽しさもあり、ゴールが見えないのが本当にうまいと感じさせられます。
私はあまり何文字も繋げられず上手ではないのですが、どれだけ長い単語を作るか、縦横どのように単語を組み合わせるか、非常に戦略性にも富んでいて奥深く、飽きることなく楽しめること請け合いです。
まずはパソコンの無料体験版からはどうでしょうか。
また、ボタン操作が要らないニンテンドーDS版もお勧めです。
様々な単語を覚えることも出来ますし、テレビゲームを体験したことの無い人、テレビゲームが好きではない人も理解してもらえるのではないかと思います。

2011年4月8日金曜日

再びの王道「ドラゴンクエストⅧ」

ドラゴンクエストシリーズ第8作「ドラゴンクエストⅧ」は、その制作をレベルファイブにチェンジし、プレイステーション2に舞台を移した記念すべき作品です。
いまや押しも押されぬ有名企業となったレベルファイブですが、当時は制作を替えて「ドラゴンクエスト」らしさはどうなるのかと、沢山の人が不安になったものでした……。
しかしその不安は全くの杞憂でした。
温かみのあるグラフィックにドラゴンクエストの数々のお約束を散りばめた「Ⅷ」は多くの人に「これはドラゴンクエストだ!」支持されたのです。
ストーリー的には再スタートということもあり王道の物語が繰り広げられたのですが、私が面白いと思ったのは主人公1人に二人のヒロインがいたことです。
一人は仲間となった気の強い少女ゼシカ。
もう一人は仲間であることは変わらないのですが、かな~~りクセの強い方で……ただならぬバッシングが起こったのを記憶しています。
知りたい方はプレイしてみてください。
でも、かなり可愛らしい方だと私は思ったのですが?
それもまた作者堀井雄二さんの思うツボだったのかもしれません。

2011年4月6日水曜日

プレイヤーを裏切るPRG「バテン・カイトス」

ニンテンドーゲームキューブ用オリジナルRPG「バテン・カイトス」は色々な意味でプレイヤーを鮮やかに裏切るRPGでした。
はるかな昔……プレイヤーは、育ての親と弟の仇を探す主人公の少年カラス(今思うとなかなか人をくった名前……)に宿る精霊として様々な指示を出すことになるのですが、主人公とプレーヤーが違う人格だということがミソです。
特別な存在であっても何も自身では出来ない。
そんな精霊が見た世界とはかくも無常で残酷でありました。
しかし、その中での希望を探していくことになるのです。
自分とは違う人格を持った主人公が動くということは、こんなにも新鮮な気持ちにさせられるのかと驚いたのを今でも覚えています。
なぜそう思ったのかは、プレイして体験してみてください。
ゲームキューブソフトはWiiでもプレイすることが出来ます。
また、バテン・カイトスの世界で「マグナス」と呼ばれるカードを使って戦闘をするというのもとても新鮮でした。
なにしろこのマグナス(カード)には「ナマモノ」ともいえる物もあり、時間が経つと刻々と変化していくのです。
おかげでマグナスを何度腐らせたことか……。
おまけにこれはシステムの問題なのですが、カードの戦闘が長いです。
はっきりいって、両方の面でこんなにプレーヤーに優しくないRPGは他に無いかも知れません。
しかし、ラストにカラス達キャラクターとこんなにも別れ難い気分にさせてくれたという忘れがたい稀有なRPGでした。
(ちなみにバテン・カイトスとはくじら座のζ星。アラビア語でくじらの腹というそうです)

2011年4月4日月曜日

出来ないからこそ憧れる「パズルゲーム」

パズルゲームが下手なのに好きです。
パズルの本やおもちゃやテレビゲームや様々なものがありますが、1人で出来て反射神経を使わず熟考できるものが特に好きです。
また、作り手のセンスを感じさせるデザインを持つパズルゲームも好きです。
でも、自分にどうも論理的に解明するという思考が出来なくて感覚で解いてしまっては行き詰まり……あきてしまうことも多いです。
時間潰しに過ぎないのではと冷めてしまうこともあります。
しかし、論理的かつ戦略的に解くという行為が出来る人をカッコいいという憧れは止まらないでいるのです。
でも、プレイして自分にはそういうカッコいい戦略は先天的な才能が無くては無理なのだなとつくづく感じます……。
それでもついコレクションしたくなり、安く面白いパズルゲームはないかとネットで探すことが止められません。
未だにわくわくしながらチェックは入れています。
自分に無いものだからこそ憧れるものなのかもしれません。

2011年4月2日土曜日

意味の無いことに挑んだ「トリビアの泉」

一大ブームを呼んだフジテレビ系バラエティ番組「トリビアの泉」が好きでした。
実用性のある情報番組が隆盛を誇っていた当時に「トリビア=ムダ知識」を大真面目に宣言して検証するという異色さにしびれました。
世の中への一種のカウンターパンチだったと思うのです。
高橋克美・八嶋智人というダメな上司と出来のいい部下という設定の司会も面白かったですし、中江真司さんのナレーションと間は笑いをとる上で絶妙も絶妙、本来ならクイズ番組になるところを「へぇ」ボタンという発明によってムダ知識を味わうという新しさも目を引きました。(タモリさんの途中加入は賛否ありましたが、雰囲気を壊すようなことはしていなかったと思います)
本当に役に立たないことだらけでしたが、「実用かどうかが問題ではないのだ」という知ることの楽しさがそこにはありました。
「トリビアの泉」自体かなりの手間をかけた番組で、週間放送という形の負担にスタッフが耐えられず幕を下ろしましたが、今もムダ知識を「トリビア」と言ったり、ボタンを叩いて点数を表したり、ムダ知識をゆっくりテロップに出してみたり、未だにバラエティのところどころに「トリビアの泉」のカケラを感じます。
それだけ「トリビアの泉」の影響力は絶大だったのだと今もなお思うのです。

2011年3月31日木曜日

キャラこそ一番「いただきストリート」

ボードゲーム「いただきストリート」が好きでした。
それもゲーム雑誌ファミ通で「べーしっ君」を連載していた漫画家荒井清和さんがキャラクターデザインを務めた第1作ファミコン版です。
プレイヤーは、双六の要領でゲームボード上を周回しながら物件や株式を購入しつつ、資金を設定額まで貯めて銀行にたどり着くことを目的に移動していきます。
そのゲームバランスはドラゴンクエストの作者として有名になった堀井雄二さんがゲームデザインを手がけたボードゲームだけあって絶妙で1人で遊んでも面白く、ゲームはたちまちヒットしました。
しかし、私はそれ以上に荒井清和さんのデザインした線の太いキャラクターが堀井さんの設定した言動とあいまって本当に本当に大好きでした。
このゲームのパッケージにも登場し案内役も務める看板娘まりな、何から何までお嬢様のともみ、超イケイケなコンパニオンけいこ、冷静なさゆり、スポコンヒーローのようなひろし、幼いからこそ大胆な手を打つしょうた、イヤミなことばかり言うたかゆき……荒井さんと堀井さんの掛け算は、キャラクターの魅力を何倍にもしていました。
だから私は、スーパーファミコンに舞台を移した続編のキャラデザイン変更には本当に本当にがっかりしたものです……。
その後、どんなにソフトの良い評判を聞いても私は手が出せませんでした。
現在いただきストリートはドラゴンクエストやファイナルファンタジーなどのキャラクターを用いて続編を提供していますが、未だに買っていません。
それよりも第1作のいただきストリートがバーチャルコンソール化が実現し、沢山の人が再びプレイすることを願うばかりなのです。(荒井さんデザインの続篇でも可!)

2011年3月29日火曜日

ただの人の強さ「ドラゴンクエストⅦ」

ドラゴンクエストシリーズ第7作「ドラゴンクエストⅦ」は、ハードをプレイステーションに移した初めての作品です。
ロト伝説・天空伝説は完結し、そのストーリーはこの作品のみの独立したものとなっています。
「Ⅶ」について、あくまで私の感覚ですが未だリメイクもされておらず、人気は一番微妙な存在なのかと思われます。
とてもプレイステーションとは思えないグラフィック、微妙なムービーシーン、プレイステーションは高いレベルのグラフィックが売りだったのですが、グラフィックはやはりドラゴンクエストは苦手のようです。
また、ある理由から石版集めをしないといけないのですが、それがまた難易度が高い。
そして、歴代最もただの人というか普通の顔をしている主人公が人気を集めない理由なのかと勝手に思っております。
しかしその普通こそが「Ⅶ」の最大のテーマなのではないかと思うのです。
漁師の息子である主人公は、やんちゃな王子キーファ、宿屋の勝気な娘マリベルと毎回遊ぶ仲。
オープニングは普通に遊ぶ子供達そのままです。
そんなある日、謎の石版を発見したことから物語は大きく動いていき彼らは冒険者となっていきます。
でも、彼らは必ずしも降りかかる問題を解決に導けるわけではないのです。
勝利したところで本当の問題は解決しない。
どうにもならないことの数々がこの物語では重くのしかかります。
それでも主人公は旅の歩みを止めません。
そして、今回の主人公もまた普通の人ではないことが明らかになるのですが、しかし彼は……ある選択を最後にします。
その選択に私はただの人の強さを見ました。
そこに「Ⅶ」の価値はあると思っています。

2011年3月27日日曜日

幻の名作「コトバトル」

ストーリー
遠い昔・・・「コトダマ」と言う不思議な力が満ちている「テンガイのくに」で、目を覚ました「気」のコトダマが国を壊してしまうほどの力で暴れていた。しかし、「天」のコトダマと4つのコトダマたちが力をあわせ、「気」のコトダマを封印する。
その後、4つのコトダマたちは国中に飛び去り、「天」のコトダマと人間の巫女が国を守り続けていた。
主人公は、テンガイのくに・コトノハのむらで「コトダマ使い」の修行に励む、一人の少年。国を守る巫女の弟であり、「人」のコトダマの力を持った彼は、今日、巫女を守る「モリビト」になるために試験を受ける。

ゲームボーイカラーに登場したRPG「コトバトル」をご存知の方はいったい何人いるのでしょうか?
初めて見たのはゲーム雑誌ファミ通の紹介でした。
中華風世界の中で主人公の少年が、コトダマと呼ばれる文字札を駆使して単語を作りその言葉にまつわる攻撃をしていくという魅力的な内容に私は購入を即座に決断したのでした。
プレイしてみるとゲームボーイでありながらグラフィックは隙がないほどレベルが高く、幼い子も楽しめるような温かみのあるデザインも良い!また難易度も難しすぎずく易しすぎず絶妙で理不尽なところが全く無い。クリアしてからも強敵が現れてバトルを楽しめるというサービス精神!
こんなに良い作品だったのに全く話題になることはありませんでした……。
一体何が良くなかったのでしょう。
某ショッピングサイトで新品が1,000円以下で売られていたのを知ったときのショックといったらなかったです。
それで、レビューで素晴らしい作品と絶賛したら売り切れになっていたので、少しはお役に立てたかなと思っているのですが。
今も「コトバトル」は売らず私の手元にあります。
出来ることなら、またリメイクなどをお願いしたい作品であります。

2011年3月25日金曜日

名も無き人々に送るエール「タイムスクープハンター」

現在第2シーズン(第3シーズンも放送予定)までNHKが放送している歴史ドキュメント風ドラマ番組「タイムスクープハンター」が好きです。
歴史アーカイブス事業の一環の為、はるか未来タイムスクープ社から沢村惣一という記者が江戸時代や室町時代などへタイムスリップして詳しく追跡取材を行うという話なのですが、主役は飛脚であったり、落ち武者であったり、算術家であったりと、歴史上の有名人ではありません。
しかし、記者沢村惣一は丹念にその普通の人たちを追いかけてゆきます。
登場人物はみな架空ですが、そこに描かれる歴史風俗は事実を基にしたものでそのリアルさが助ける物語の深みは他の追随を許さないと思っています。
必死に強く……まるで皆、そこできちんと生きているようなのです!
そしてそこには「歴史を作ったのは名も無き人達である」というメッセージを痛烈に感じるのです。
ちなみに……予算の問題なのでしょうがこのメッセージになぞらえるように番組には有名な俳優さんはほとんど出てきません。
しかし、どんな有名人が出てくるドラマより私は心引き付けられたと言いたいです。

2011年3月23日水曜日

本当をめぐる旅「ドラゴンクエストⅥ」

ロトシリーズに続く天空シリーズ完結編となったドラゴンクエスト第6作「ドラゴンクエストⅥ」は、シリーズの中でも一、二を争う難解な作品だったのではないでしょうか。
その理由は「何が本当なのか?」というテーマにあったと思います。
主人公が見つけたもう一つの世界「幻の大地」
ストーリーはその「幻の大地」と主人公が暮らす大地と行き来をして進んでいくのですが……そこでは夢と現実が次々に交錯し本当に混乱します。
何が本当であるのか。本当の方が正しいのか。夢は夢でしかないのか。
それはこれまでのドラゴンクエストにあった広大な大地を行く旅ではなく、人の内面をえぐる物語でありました。
「何が本当なのか?」というのは映画や小説でよく取り上げられるテーマではあるのですが、ドラゴンクエストという極めて親切なゲームとの組み合わせは、極めて相性が良くなかったのではないかと私は思いました。
しかし、ドラゴンクエストというシリーズにあって夢と現実を交差させるという異色の輝きを放つこの作品は様々な想像を働かせ様々な解釈をさせるという点において、今でも好きな人が多いというのはとても納得できるのです。

2011年3月21日月曜日

循環する苦難の物語「ドラゴンクエストⅤ」

初のスーパーファミコンソフトとなったドラゴンクエストシリーズ第5作「ドラゴンクエストⅤ」は、「結婚」という重大な選択をプレイヤーに決めさせたり、モンスターを初めて仲間に出来るシステムなど今でも高い人気のある作品の一つです。
結婚前夜は本当に悩みましたし、仲間になるかどうかにひどくやきもきしたものです。
しかし追体験出来るそのストーリーは、少年期から青年期まで主人公の苦労がとにかく絶えないのでした……。
詳しく書けませんが、主人公出生の秘密、奪われる自由、連続する家族の不幸……その人生は本当に大河ドラマでありました。
そしてこの「ドラゴンクエストⅤ」の象徴がタイトルロゴに描かれている「リング」なのですが、主人公の人生もまたリングのように巡っていくのが強く記憶に残りました。
同じことを繰り返してしまう人……それでもなお、それでもなお親は子供に、子供は親になり、困難を乗り越えていくだろうと信じて疑わない。
この物語の深さは大人になった人の方が分かるのかも知れません。

2011年3月19日土曜日

人生を学ぶ群像劇「ドラゴンクエストⅣ」

ドラゴンクエストシリーズ第4作目「ドラゴンクエストⅣ」は史上初のオムニバス仕立ての作品でした。
これが当時発売時期の延長に告ぐ延長も相まって、かなり批判を受けたように記憶しています。
なにせ主人公でなかなかプレイすることが出来ないのですから!(リメイク版では序章がありプレイできる)
しかし、後にトルネコが他のゲームの主役として独立するなど、それぞれのキャラクターはかなり魅力的だったのではないでしょうか。
多くの人に慕われながら不器用生き方しか出来ないライアン。人間になりたい願いを持つモンスターホイミン。姫として生まれても姫という生き方に縛られたくないアリーナ。それに振り回されつつ認めているブライとクリフト。家庭と自分の夢のために揺れながら生きるトルネコ。父の復讐を誓うマーニャ・ミネア姉妹。そして勇者に立ちはだかる敵のボスも裏で事情を抱えているという。
敵を倒して終わりではないという複雑な物語がありました。
子供ながら人生って単純じゃないと思わされたのでした。
その陰影がこのドラゴンクエストⅣの独特な魅力につながっているのではないでしょうか。

2011年3月17日木曜日

永遠の少年「ゴッドタン」

テレビ東京系バラエティ番組「ゴッドタン」を見ると、幼いころクラスに一人は居たであろうどうしようもない少年を私は思い出してしまいます。
もうひたすらくだらないことばかり思いついてやり続けて、何一つまともな返しをしてこないという……。
そしてゴッドタンという番組は、そんな少年達ばかりが集まって思いついた路地裏の遊びという感じがします。
本当にゴッドタンには学ぶことが一切無いと思うんです。とにかく笑いだけしかない。(本気で褒めてます)
真面目にしようとすればするほど可笑しいマジ歌選手権、間違った方向に遠慮なく爆走するストイック暗記王、司会をするツッコミ芸人さんを翻弄すること以外に意味は無い大声クイズなどなど……ただただ笑うばかりです。
そしておぎやはぎ、バナナマン、劇団ひとりといったレギュラー陣もただひたすらくだらないことに全力をかたむけているのが素晴らしいのです。
少年は少年のままではいられません。
ですが、「ゴッドタン」にはいつまでも永遠の少年のままでいてほしいと私は願っています。

2011年3月15日火曜日

自由を往く「ドラゴンクエストⅢ」

ドラゴンクエストⅢへの印象はとにかく「自由」であることでした。
主人公を男か女かにするのも自由。どのようなメンバー構成にするのも自由。旅をする人数も自由。どこへ向かうかも自由。
当時これには本当に驚かされました。
自分の意思がなかなか決められなかった私は、正直どうしたらいいのか戸惑ったほどです。
以降のドラゴンクエストシリーズはストーリーの部分が強くなり、次の自由度の高いドラゴンクエストをプレイするには「ドラゴンクエストⅨ」まで待たなくてはいけませんでした。
ロトシリーズ完結編であるストーリーはありましたが、そのことより世界地図に良く似たマップを行く旅は世界旅行に似ていて、その土地や店を巡り、話や買い物の方が楽しかったなあなどと思い出すのです。
特に日本人ですから「ジパング」の登場は嬉しくて、そこを舞台とした様々な出来事にはにやにやさせられっぱなしでありました。
まさにドラゴンクエストⅢは旅を疑似体験するRPGでありました。

2011年3月13日日曜日

怪物の仮面を被る王者「キングオブコメディ」

キングオブコメディを私が初めて見たのはフジテレビ系バラエティネタ番組「爆笑!レッドカーペット」でした。
ボケの今野さんが、なぜかかつらも被らずセーラー服といういでたちで、普通の人を演じるツッコミの高橋さんにしつこく絡むという一種異様なコントで目を引いていました。
とにかく世間で話題だったのは今野さんの顔面……モンスターとあだ名されるブサイクぶりだったのですが、見れば見るほど、実に練習に裏打ちされた精密なコントであることを実感します。
確かに今野さんの強烈なキャラクターはコントに必要なのですが、それだけでは終わらないリアリティや社会の毒(これは今野さんのキャラとは関係ないところで忍ばせている印象)など、何度見ても飽きさせません。
しかし、ひとたびコントを離れれば今野さんはしっかりした考えを述べる常識人で、高橋さんはヒドイ噛みぐせがあるなどダメな部分をかなり持っているという逆転現象がいつも起きているのがまた面白いです。
彼らは同じ事務所の先輩である東京03に続き、その年最高のコント師を決める「キングオブコント2010」の3代目王者となりました。
まさにキングとなった彼らは、怪物の仮面であざむきながらこれからも観客をコントで翻弄させていくに違いありません。

2011年3月9日水曜日

世界の広さを感じた「ドラゴンクエストⅡ」

ドラゴンクエストの続編であるファミコン版「ドラゴンクエストⅡ」は「世界は広い」ということをまざまざと感じさせてくれたゲームでした。
あれほど広大だと思っていたアレフガルドの小ささに驚き、船で海を行くことの新鮮さに酔い、紋章探しで迷い、ロンタルギアの広さにどれだけうんざりしたことか!
「世界は広い」ということにストーリー、システム、難易度がしっかり結びついていたことを今になって実感します。
ラストのボスにたどり着くまでのルートは1番の難易度高さを感じさせたドラゴンクエストシリーズは間違いなくⅡだったのではないでしょうか。
しかし、決して不愉快になるような難易度ではなかったと記憶しています。
時に迷い、落とし穴にはまり、何度も倒れながらロンタルギアの洞穴を潜り抜けたときは、雪原が広がっていたことも相まってなんともいえない爽快感がありました。
あんな爽快感は今のRPGゲームではもう味わうことはないのかもしれません。

2011年3月7日月曜日

全ての始まり「ドラゴンクエスト」

私が生まれて初めてプレイしたRPGが、ファミリーコンピューターの
ドラゴンクエスト」でした。
今思えば非常に小さな箱庭のような世界でしたが、ドットで出来た背中を向けない勇者を操りながら、モンスターとの戦闘や謎解きにそれはもうのめりこんだものでした。
その中でも忘れられない思い出があります。
それは山の洞窟を探検中の時のことでした。
なにやら宝箱からいつもと違う妙なアイテムを見つけたんです。
その名は「しのくびかざり」
イヤ~~な感じがしたのは言うまでもありません。
結局身には付けず、どうぐで持ったまま私はもと来た道を引き返したのですが、そんな中で戦闘発生!
その時私は何を思ったか「しのくびかざり」は敵に大ダメージをあたえられるんじゃないか?と考えてしまい「しのくびかざり」を使ったのです。

そうしたら……

「しのくびかざり」は勇者を呪いで身動きを取れなくしてしまったのです!
そうして動けなくなったところをモンスターに一方的に滅多打ちに遭い、「あなたはしにました」という顛末を招いたのでありました……。
その恐怖たるや、今どんなにゲームのCGが向上しようともストーリーが素晴らしかろうとも、決して上回れないと私は強く思ってしまうのです。
攻略本もネットもありませんでしたが、そこには様々な「初めての冒険」がありました……。

2011年3月5日土曜日

観客を巻き込む危険な3人「東京03」

東京03のことを初めて見たのは、様々なお笑い芸人を世に送り出し一大ブームを作った日本テレビ系バラエティ番組「エンタの神様」でした。
お笑いファンの間でとても話題となっていたので、一体どんな人たちなのかと興味を持ったからです。
メンバーは長渕ファンでやたらと熱いがでも小心な角田さん、切れのいいツッコミと何かといじられる一番の標的になってしまう飯塚さん、プロレスが大好きで何故かいつも絶妙のところにちょこんと居る豊本さん。
彼らはブームなどにはならなくとも、着実に毎回質の高いコントを世の中に送り出していました。
東京03のコントは時に会社、時に学校と、日常のよくある風景をいつも舞台にしています。
3人のキャラクターは本当にどこにでも居そうで、その日常の為に非常に有効に働いています。
しかし、進むうちにありえない非日常へとじょじょに変わっていく。
そのスライドのさせ方が非常に絶妙なのです。
観客をも巻き込んで、いつのまにか危険な場所へ連れて行ってしまう。
それを気づかれずにさらっと行うという点においては、ある意味非常に危険な3人といっていいでしょう。
やがて2009年最高のコント師を決定する第2回キングオブコントの栄冠に輝いた東京03は、舞台を主とするコント師としての地位をゆるぎないものとし、少しずつではありますがそれぞれのキャラクターを活かしたテレビ出演も増えてきました。
危険な3人が打つ次の手をぜひ楽しみにしたいと思います。

2011年3月3日木曜日

楽市楽座「爆笑!レッドカーペット」

1分間という時間で芸人さんがショートネタを披露する番組。
それがフジテレビ系「爆笑!レッドカーペット」でした。
生みの親の一人吉田正樹さんはこういいました。
レッドカーペットは楽市楽座である」と。
楽市楽座とは「戦国時代から近世初期に、戦国大名が城下町を繁栄させるためにとった商業政策。それまでの座商人の特権廃止や市場税の廃止、また、座そのものの廃止によって、新興商人の自由営業を許したもの」というシステムです。
レッドカーペットには上も下もありませんでした。
横一線に並んだ若手芸人達が芸を披露し、面白かった芸人は一夜にしてスターになるというドラマチックさは沢山の人の注目を集めました。
無論反響が大きければそれだけ批判も受けました。
スターの粗製濫造。芸人さんの商品化。長い時間の芸を無視し1分しか耐えられない芸しか生んでいないなど……。
正の部分があれば負の部分があるのは当然だと思います。
しかし、あの番組があったことで沢山の芸人さんを私は知ることが出来ました。
沢山の人が「こんな芸人さんがいるんだ」と知ったと思います。
そのことではレッドカーペットは多大な功績を残したと思います。
そこでしか味わえなかった自由な雰囲気、司会の今田さんの愛あるツッコミなど、私は今でも思い出します。
いつかまた再会できる日を願って……。

2011年3月1日火曜日

全てをちゃらんぽらんにする男「ちゃらんぽらん冨好」

かつて一世を風靡したフジテレビ系バラエティ「爆笑レッドカーペット」は若手芸人さんの登竜門的番組でした。
そんな中にとんでもない人が一人急に入り込んできたのです。
その名はちゃらんぽらん冨好さん!
エクザイルの全員の名前をそらで語り、歌い踊る様は衝撃的でありました。
見るとけっこうなベテランなのになぜレッドカーペットに出演したのか?
私の興味はそこから始まりました。
もともと「ちゃらんぽらん」というコンビで活躍していたそうですが、相方さんが芸人を引退されたことでピン芸人に転向。
そこにいたるまでは様々な思いがあったようです……。
冨好さんはプロ野球西武ライオンズの熱烈なファンなのだそうですが、芸能活動が上手くいっていない時期にある西武の選手にこんなことを言われたそうです。
「何言ってるんだ。俺は、ひじがダメなら、もう野球ができないかもしれない。でも、お前にはしゃべれる口があるじゃないか。頑張りなさい」
その一言が冨好さんの意識を大きく変えたのだそうです。
冨好さんの芸は若者のカルチャーを自分のもののように語り倒し、さらには唄い踊ることもあるというギャップ芸です。
へたをすると「ミスマッチ」「痛々しい」という声が聞こえてきそうなのですが、冨好さんに一切の躊躇がありません。
どこまでの陽の光のように明るく(ナオユキさんとある種正反対)、突き抜けていてそんな常識などどうでも良くなる”ちゃらんぽらん”になってしまうのです。
私はそんなバイタリティあふれる冨好さんが大好きで仕方ありません。

2011年2月27日日曜日

懐深いオオサカの塊「矢野・兵動」

矢野・兵動の兵動大樹さんを初めて見たのは大人気となったフジテレビ系トークバラエティ番組「人志松本のすべらない話」でした。
兵動さんの手にかかると、どんなに平凡な出来事も嫌なことをしてくる人も全て「笑えること」にたちまち変わっていく。
そのことに私は本当に驚いたものです。
何か全てを許してしまうような、そんな話術力が兵動さんにはありました。
そして、矢野・兵動の矢野勝也さんを初めてみたのはTBS系バラエティ番組「イロモネア」でした。
当時全国放送では「すべらない話」の影響か兵動さんのみが番組に出演することが多く、私はそこで初めて矢野さんを見たのでした。
相方の兵動さんがとにかく大好きで大好きで仕方がなくて、誰に対してもとても優しく温かい。
瞬く間にスタジオを矢野流に変えてしまったその人柄が、私はいっぺんに好きになりました。
関西に暮らす方たちはどう思っているのかは正直分からないのですが、地方に暮らす私にとって2人は間違いなくイメージする情の深い「オオサカ」のイメージそのものです。
それは地元の人から見たら本物ではないのかもしれませんが、私にとっては「オオサカ」が間違いなくそこに「在る」のです。
コンビであるはずのお二人ですが、今もなお全国放送でほとんどコンビで出演することが無いというのはとても残念なことです。
兵動さんは矢野さんに対して、コンビとして組んだ覚えは無いと突き放すのですが、DVD「板の上」「懐かしいモノ見学」を見ると、とても面白く仲の良い二人を見ることが出来ます。
ぜひ二人で全国区でも活躍して欲しいものです。

2011年2月25日金曜日

アウェイヒーロー「サンドウィッチマン」

「いつだってアウェイだ」と言ったのは確かサンドウィッチマンの富澤さんだったと思います。
私がサンドウィッチマンを初めて見たのはM-1グランプリ2007敗者復活でのことでした。
松本人志さんの「知らんわ~~」の一言は今でも忘れられません。
本当に皆「誰だ?」の状態だったのでしょう。
しかし、そのことをサンドウィッチマンは大きな大きな力に変えたのでした。
停滞ムードが漂っていた2007年大会に、キレのある伊達さんのツッコミにとぼけてとんでもないことを口走る富澤さんのボケを炸裂させた二人の漫才は、会場に大きな笑いと衝撃を与えました。
そしてそのまま一気に勝ち上がって優勝を手にしたのです。
彼らは実はコントを中心に活動するコント師でした。
当時はコントの賞レースが無かった為に、コントを漫才にして何度もM-1に挑戦していたのです。
初挑戦の時は1回戦敗退だったとか。
しかし粘り強く攻略の糸口を探り、ここまで上り詰めたのです。
また、吉本興業ではなくほぼ無名の小さな事務所に所属していた彼らは、事務所の力が大きな影響力となるテレビでの活躍を不安視されていましたが、立派に今日まで活躍しています。
サンドウィッチマンにはいつも「アウェイ」の状況が付きまとっているのです。
しかし彼らはそれをもろともしません。
アウェイだからこそ輝くヒーローに彼らはなったのだと、私は思います。

2011年2月23日水曜日

熱くなる対決番組「ほこ×たて」

フジテレビ系月曜23時に放送している「誰も見た事のない対決ショーほこ×たて」が面白いです!
もともと特番で放送されていたのですが、ついにレギュラー化。
その内容は矛盾という故事に基づいています。
どんなものも貫く最高の矛にどんなものも防ぐ最高の盾。
その2つが激突したら一体何が起きるのか……。
対決ものはこれまでも様々な番組がありましたが、ほこ×たてが面白いのは対決するテーマが日本企業の技術力だったり卓越した技能を持った人が、企業のそして自身のプライドを賭けて闘うということにあります。
たとえば「どんなものも削るドリル」対「どんなものも削ることの出来ない金属」
それぞれを有する二つの企業は決して負けたくはないわけです。
そして番組は、絶妙のルール設定とパフォーマンスタイムを設けることで、そのプライドを煽りに煽ります。
そのプライドのぶつかり合いがひたすら熱い!のです。
そしておのずと決着はつくわけですが、勝った方も負けた方もこれが本当にカッコ良く映り、技術の最高峰の素晴らしさを感じるのです。
対決する者達のプライドをぜひ、見てください!

2011年2月21日月曜日

人を愛し常識を疑う風来坊「ナオユキ」

ナオユキさんを私が初めて見たのは、2008年の「R-1ぐらんぷり」敗者復活を決めるサバイバルステージの放送でした。
キャスケットにマントのような上着を羽織り、なんの疑いも持たず信じていたことに対して疑問をぼやくナオユキさんの漫談に、私は鮮烈な印象を持ちました。
その視点はいつも意外で、いつも地に足が付いていて、いつも温かい。
いつもそんな人を愛してやまない。
そんな感覚を抱かせるのです。
陰と陽なら陰の芸風でしょうし理屈っぽいとの意見も聞くのですが、私は違う視点を見せてくれることでホッとし、元気をもらっています。
そして決して力を入れたりしない飄々とした言動、キャラクターそのものが世の中へのツッコミなんだろうなと、見ているだけで嬉しくなるんです。
ナオユキさんは2009年のR-1ぐらんぷりでもサバイバルステージに進出し、2010年のR-1ぐらんぷりではついに決勝に進み、ファイナリストとなりました。
そのキャラらしく、少しずつ少しずつ前進しています(笑)
「いつもどおり」を心がけ、決してナオユキさんが変わることはないのでしょう。
そんなナオユキさんの魅力に、少しでも沢山の人が気づいてくれるといいなと私は願っています。

2011年2月19日土曜日

ゲームの文学「ドラゴンクエストシリーズ」

ファミリーコンピューターから始まったテレビゲームのドラゴンクエストシリーズをいまだにプレイしています。
有名になった堀井雄二さんのゲームデザインとシナリオ、鳥山明さんのキャラクターデザイン、すぎやまこういちさんの音楽……。
世の中からどんなにゲームとしてダメになったと言われても、ドラゴンクエストだけはどうしても止められません。
確かに首を傾げたくなるところも無い訳ではないのですが、それでもなお止める事が出来ない王道のドラマとプレイする快感と楽しさは失われていないと感じています。
ファンタジー小説がブームとなりましたが、それよりも前にドラゴンクエストは日本にありました。
ドラゴンクエストで私は様々なことを学びました。
まさに文学といっても過言ではないと思います。
長くシリーズが続いていけば質は落ちていくことは避けられないのでしょう。
それでも私はどこまでも付き合いたいと思っています。

2011年2月17日木曜日

視聴者にとっての視聴率とは?

視聴率とは視聴者にとって、とても厄介なものです。
いくら好きでもこれが低いと番組は打ち切られてしまいます。
しかし、大多数の視聴者には視聴率の機械などあるはずもなく、何も協力なんて出来ないのが現実です。
大好きな番組が続くためには高視聴率を祈るほかありません。(好きな番組が高視聴率と目にするとホッとします)
なにか別のものさしがあればいいのにといつも思うのですが、そんな中NHKがひとつの試みを始めました。
それはツイッターで番組リクエストを募る公式ハッシュタグを作り、その結果を見て再放送のラインナップを決めるというものです。
これによって、全てではありませんがいくつかの再放送番組が本当に決定しました。
今まで、投書・電話などの方法がありましたが、視聴率に対抗するもう一つの価値観とまでは成長しませんでした。
でも、ツイッターはその速さ、量において新しいものさしになりうるかもしれません。
視聴率自体が悪いということはありませんが、そろそろそれ以外のものさしが生まれることを願っています。

2011年2月15日火曜日

苦労の王道を往く者「パンクブーブー」

M-1グランプリ2009を優勝した漫才コンビパンクブーブーが好きです。
初めてみたのは私はフジの「爆笑レッドカーペット」でした。
「命乞い」というネタだったのですが、ボケの哲夫さんが繰り出す奇想天外な命乞いの言葉、それに翻弄されるツッコミ黒瀬君のキレっぷりにいっぺんに魅了されてしまったのでした。
レッドカーペットは従来のネタより更に短いショートネタを主眼に置いている為、キャラクターの強いコンビなどが印象に残る傾向が強いのですが、彼らは正統派の漫才で見事レッドカーペット賞を初登場で貰ったのです。
その後NHK爆笑オンエアバトルで大活躍しているコンビと知って、追いかけるようになったのですが、このコンビは一言でいえば「苦労の王道を往く者」
楽な道をどういう訳かこのコンビは決して取らないのです。
元々別々のコンビで福岡吉本に所属していた彼らでしたが、あまりの薄給の苦しさから2人で一大決心をして上京。パンクブーブーを結成します。
しかし、東京では各事務所のオーデションを繰り返す日々。再び吉本に入り直すことになりますが、福岡吉本出身だったことから簡単には周囲に認められなかったようです。
オンエアバトルではオーバー500とまで呼ばれた強豪ながら、チャンピオン大会ではやりたいことを優先させてチャンスを棒に振り、そのツケがたたって不運も重なりついに無冠。
2009年についにM-1チャンピオンになりますが、芸能活動だけで食べられない苦労から解き放たれたがゆえに、それまで応援してくれていたファンが逆に離れたといいます。
2010年のM-1グランプリではチャンピオンの立場でありながら、再び挑戦することを表明しました。
ストレートで決勝に残ることは出来ませんでしたが、パンクブーブーは敗者復活から決勝へと勝ち上がりました。
しかし、その行動は沢山のバッシングを受けました。
それでも挑戦したいと思ったのは、M-1を挑戦できる10年を全て出場するという形で全うしたかったから。
また、その漫才スタイルは子供からお年寄りまで楽しめるものということを心がけており、そのネタはかなりの手間ひまをかけているのではないかと思われます。
漫才に対して愛を持つがゆえに楽を選ばないパンクブーブー
そんな姿勢が私は好きです。
彼らの往く道はこれからも辛いものに違いありません。
それでも、いばらの道を往く彼らをこれからもずっと応援したいと私は思っています。

2011年2月13日日曜日

R-1ぐらんぷり2011

2011年2月11日ピン芸日本一を決めるR-1ぐらんぷり2011決勝が開催されました。(関西テレビ系生中継で放送)
評価は様々でしたが、私はとても面白く観戦することが出来ましたのでここに感想を書きます。

キャプテン渡辺10点VSCOWCOW山田興志11点

キャプテン渡辺「借金あるある」
借金を狙うクズな人あるあるをひたすら言い切るクズな人漫談。
ヒドイ話をさわやかに言い切る姿勢が素敵でした。
わずか1点差!2回目も見てみたかった人でした。

COWCOW山田興志「早口言葉研修」
アナウンサーが早口言葉を指南する内容なのですが、5段のフリップタワーを使って徐々下へ崩していくというアイデアが秀逸でした。
キャプテン渡辺さんとは対照的に明るくそこが勝負を分けたのでしょうか。

AMEMIYA11点VSバッファロー吾郎木村10点

AMEMIYA「冷やし中華始めました」
あらびき団に出演し前々からお笑いファンの注目を集めていたAMEMIYAさん。
最初から切り札 「冷やし中華始めました」を出してきたことに敬意を表したいです。
しかし、あまりにも目にしてしまったせいか破壊力は少し落ちてきていました。

バッファロー吾郎木村「ベスト大賞」
様々な賞を発表する司会者木村さん。一種の大喜利だと思いました。
どうも事情により予選の時とは違い改変したようなのですが、今ひとつ私にはチョイスしたネタがピンときませんでした。

ナオユキ8点VSスリムクラブ真栄田13点

ナオユキ「夜道を一人歩いていたら」
日常によくあることをナオユキさんならではの独特の視点でぼやく……
そんなボヤキ漫談でした。
学校の先生への思いをラストに繋げるなど考えられたネタだったと思うのですが、時の人真栄田さんを上回るには今一歩パンチ力が足りなかったのかもしれません。


スリムクラブ真栄田「世紀末の男」
世紀末を生きる謎の男。
ただでさえキャラの強い真栄田さんが更にキャラをつくり、とても強烈なインパクトを残しました。
しかし、繰り出したボケは漫才の時ほど強烈ではなかった気がします。

佐久間一行12点VSヒューマン中村9点

佐久間一行「妖怪」
井戸から現れたのは……!?
そこ抜けの明るさと歌がなんとも魅力的でした。


ヒューマン中村「しょぼくして行こう」
物事を3段階でしょぼくしていこうというマイナスなシステムがなんとも魅力的でした。
いきなり佐久間さんとあたることになってしまったのは不運だったかもしれません。

準決勝

COWCOW山田興志6点VSAMEMIYA15点

COWCOW山田興志「早口言葉吾郎編」
2回目になったとたん苦しくなってしまったと思いました。

AMEMIYA「東京ウォーカーに載りました」
東京ウォーカーに載るということはプラスになりそうなのになぜか転落していく悲喜劇。
この時点だったら優勝だったと思います。

スリムクラブ真栄田6点VS佐久間一行15点

スリムクラブ真栄田「向かいの住人」
1回戦と同じスタイルなのですが、舞台が現実になってしまった時点でちょっと笑えない方向に行ってしまったかなと思いました。
1回戦の時よりパンチはさらに弱まってしまったような気がします。

佐久間一行「ジャングル住人あるある」
通じない現地語を話しながらのフリップ芸というアイデアに驚きました!
 多分外国の方が見ても通じるんじゃないかと思いました。

決勝

AMEMIYA1票VS佐久間一行7票

AMEMIYA「この売り場から一等が出ました」
張り紙からかなりかけ離れてしまったと思います。
笑いの要素が随分なくなってしまい普通に泣ける歌になってしまいました。
昨年だったら優勝だったと思います。

佐久間一行「幼虫」
ここまで3通り全く別の芸をして見せたというのが脅威です。
3本の中では3番目だと思うのですが、しかし凄いです。

ということで優勝は佐久間一行さんでした!
おめでとうございます!

2011年2月12日土曜日

映画ロケ体験記

十日町市に映画「雪の中のしろうさぎ」ロケが来ました。
映画で町を盛り上げようという市の取り組みの一環です。
そこで私は芸人さん見たさに市民エキストラに参加させていただくことにしました。
雪の中撮影はスタートしたのですが、待機中待合室に使われる小屋が停電!
暗い中で食事するなんてこともありました。
しかし、映画を手伝う係の皆さんのおかげで不安無く過ごす事が出来たと思います。
そしてエキストラの撮影本番。詳しくは言えないのですが雪の中沢山のキャンドルを使う撮影で、私たちエキストラはまずはキャンドルに火を付ける作業に着手。
それが済むとよいよ撮影に入り、とても緊張しました。
エキストラにもこうして欲しいときちんと指示が出て、それをこなすのはセリフが無くても難しいものだと痛感しました。
遠くからキャストの皆さんを見ていましたが、主演のフットボールアワー岩尾望さんは真面目に物静かに演技をこなしていました。
あべこうじさんはハイテンションで現場を盛り上げる盛り上げ役。
ヒロイン役の石橋杏奈さんはトラブルで何度も同じシーンを撮ることになってもしっかりと演技をこなすまさに女優さんでありました。
ノンスモーキンはあるセリフを様々な言い方で言いまるでギャグのように現場で受けていました。
皆さん寒い中本当に奮闘していたと思います。
私たちエキストラは背後から何度か撮影されて、1時間30分ほどで撮影完了となりました。
30分の短編といってもその労力は膨大で、それは誰でも成功させたいと宣伝に力を入れるのがよく分かるようになりました。
「雪の中のしろうさぎ」は、まず沖縄国際映画祭で先行上映された後、新潟県で4月に上映される予定です。

2011年2月11日金曜日

お笑い好きになる

ここ2年でお笑いが好きになりました。はっきり言って論理の組み立てなどつたなく、まだまだ初心者でありますが……。
好きな芸人さんは2009年にM-1チャンピオンとなったパンクブーブー、児玉清さんの物まねで有名になった華丸さんとマニアックかつシニカルな視点を持っている大吉さんのコンビ博多華丸・大吉、すべらない話常連の兵動さん相方が大好きなパイセン矢野さんの矢野・兵動、敗者復活から2007年M-1チャンピオンになったサンドウィッチマン、強烈な個性を持つ今野さんとよく噛む?高橋さんのコントコンビキングオブコメディ、R-1ファイナリストにもなった独自のしゃべりと視点が面白いナオユキさん、大ベテランでありながら若手と混じって様々な挑戦をするちゃらんぽらん冨好さん、そして今や実力のある司会者となった今田耕司さんなど……挙げたらきりがありません。
しかし、自分の好みは地味な実力派ばかりで……世間が大注目する人にはなぜか行けないというひねくれ者であります。

2011年2月10日木曜日

映画でエキストラ参加

十日町市で撮影される吉本興業の映画「雪の中のしろうさぎ」のエキストラに参加することにしました!30分の短編映画です。
出演は岩尾望さん(フットボールアワー) 石橋杏奈さん、あべこうじさん、、中尾伸吾さん(ノンスモーキン) 菊池大助さん(ノンスモーキン)です。
岩尾さん演じる世界的芸術家山田太郎が、地域住民らとさまざまな騒動を繰り広げ、苛酷な冬の生活の中から、真の芸術とは何かを見出していく。というストーリーだそうです。
映画撮影は予定が押すことが多いらしく……一体どれだけの時間がかかるのか?当日雪はどうなるのか?心配で本当に大変そうであります。
スキー場で撮影は行われるので、万全の装備でないと風邪引きそうです。
きちんと防寒準備をしなくては。
でも、田舎のロケなんてことは本当に無いので有名人に会えることが楽しみで仕方ありません。
また改めて体験記は書こうと思います。

2011年2月9日水曜日

ブログ始めました。

なんだか「冷やし中華始めました」みたいですが……今さらですが、グーグルでブログを始めてみました。ツイッターが爆発的に大流行りしているこのご時世で。
自分の好きなことをとにかく沢山つづっていこうと思います。
自分の好きなことはお笑い関係、テレビバラエティ、テレビゲーム、イラスト描き、ハンドメイドクラフト(手芸、レザークラフトなど)、サッカー観戦(まだ初心者)などなどです。
正直言って自分はとても飽きっぽい性格で、ブログははっきり言って何度もトライしては挫折しています。
毎日キチンと続けていくことはとても難しいと、つくづく思います。
ブログを続けていける人を私は本当に尊敬します。
一体どこまで続けていけるのかわかりませんが、自分なりにブログを悪戦苦闘しながら一生懸命頑張ってみようと思います。
どうかどうかよろしくお願いします。