ロトシリーズに続く天空シリーズ完結編となったドラゴンクエスト第6作「ドラゴンクエストⅥ」は、シリーズの中でも一、二を争う難解な作品だったのではないでしょうか。
その理由は「何が本当なのか?」というテーマにあったと思います。
主人公が見つけたもう一つの世界「幻の大地」
ストーリーはその「幻の大地」と主人公が暮らす大地と行き来をして進んでいくのですが……そこでは夢と現実が次々に交錯し本当に混乱します。
何が本当であるのか。本当の方が正しいのか。夢は夢でしかないのか。
それはこれまでのドラゴンクエストにあった広大な大地を行く旅ではなく、人の内面をえぐる物語でありました。
「何が本当なのか?」というのは映画や小説でよく取り上げられるテーマではあるのですが、ドラゴンクエストという極めて親切なゲームとの組み合わせは、極めて相性が良くなかったのではないかと私は思いました。
しかし、ドラゴンクエストというシリーズにあって夢と現実を交差させるという異色の輝きを放つこの作品は様々な想像を働かせ様々な解釈をさせるという点において、今でも好きな人が多いというのはとても納得できるのです。