2011年4月17日日曜日

瞬きに全てを費やす物語「ファイアーボール」

ファイアボール』とは、ウォルトディズニージャパン製作による1話2分の3DCGアニメ作品です。
2008年4月7日~ 2008年6月30日まで放送され、現在は第2シリーズの『ファイアーボールチャーミング』が放送中です。
しかし私は、放送も完全に終了しDVD発売が決定したというCG広告を目にして『ファイアーボール』を初めて知ったのでした。
ロボットなのにツインテール!主人公ドロッセルのビジュアルの衝撃が凄かったのです。
しかし、そのストーリー内容はそれ以上でした。
メルクール暦48650年。地球であって地球ではないような星で、人類の軍隊とロボット貴族の軍隊は長い間戦争を続けていました……。
そんな背景を抱えながら、ちょっと意地っ張りのツインテールお嬢様ロボットドロッセルと執事ゲデヒトニトス(お嬢様からまともに名前を呼ばれた試しなし!)は、広いお屋敷の中でひたすらドタバタ劇を繰り広げるのです。
はっきりいって物語としては凄く小さいです。
その落差といったらあきれ返るばかりです。
しかし、その内容はSFから古典まで数々のパロディが散りばめられた上に、生きる上での示唆が含まれているという実に噛めば噛むほど味が出るスルメのような番組なのです。
また、そんな小さな物語に費やされた3DCGの迫力や動きといったら素晴らしく、無表情のロボットであるドロッセルやゲデヒトニトスが非常に人間味あふれ愛らしく見えてくるのです。
わずか2分にとんでもない労力をかけて魅せる。
まるで星の瞬きのような物語それが『ファイアーボール』なのです。