ニンテンドーゲームキューブ用オリジナルRPG「バテン・カイトス」は色々な意味でプレイヤーを鮮やかに裏切るRPGでした。
はるかな昔……プレイヤーは、育ての親と弟の仇を探す主人公の少年カラス(今思うとなかなか人をくった名前……)に宿る精霊として様々な指示を出すことになるのですが、主人公とプレーヤーが違う人格だということがミソです。
特別な存在であっても何も自身では出来ない。
そんな精霊が見た世界とはかくも無常で残酷でありました。
しかし、その中での希望を探していくことになるのです。
自分とは違う人格を持った主人公が動くということは、こんなにも新鮮な気持ちにさせられるのかと驚いたのを今でも覚えています。
なぜそう思ったのかは、プレイして体験してみてください。
ゲームキューブソフトはWiiでもプレイすることが出来ます。
また、バテン・カイトスの世界で「マグナス」と呼ばれるカードを使って戦闘をするというのもとても新鮮でした。
なにしろこのマグナス(カード)には「ナマモノ」ともいえる物もあり、時間が経つと刻々と変化していくのです。
おかげでマグナスを何度腐らせたことか……。
おまけにこれはシステムの問題なのですが、カードの戦闘が長いです。
はっきりいって、両方の面でこんなにプレーヤーに優しくないRPGは他に無いかも知れません。
しかし、ラストにカラス達キャラクターとこんなにも別れ難い気分にさせてくれたという忘れがたい稀有なRPGでした。
(ちなみにバテン・カイトスとはくじら座のζ星。アラビア語でくじらの腹というそうです)